「? 紫苑くん、今、なんて言ったの?」
紫苑の隣に座る美玲が、きょとんとして首を傾げている。
その隣の爽真も聞き取れずに警戒した顔をしてるし、
他の面々もぽかんとしている。
――これ、まさか。
「へぇー。勉強できないのに、今のはわかるんだ。瑠奈ちゃん」
ハッとして見た紫苑の顔は、にこにこと爽やかな王子の笑顔。
「そ、それくらいはわかるよぉ。中学校で習うくらいの英語だったし……」
「それにその数学のテキスト。ちょっとクセのある応用問題中心のやつだよね?」
作り笑顔が苦笑いになりそうなのを必死で我慢する。
そんな私の前に置かれた、数学のワークを紫苑はぴっと指差した。



