「おはようございますっ!」
「おはよッス」
「おはよう」
次々と掛けられる挨拶に、“誰か”は挨拶を返さない。
私は“テレビを一緒に観る”という、紫苑との時間に夢中のテイ。
……だったのに。
「……おはよ。爽真」
紫苑が静かな声で呼んだ名前に、思わずそっちに振り返ってしまった。
(……機嫌悪っ)
「……」
寝起きで目が開ききってない仏頂面が、こっちを睨んでいる。
「あ、爽真くん。……おはよー♡」
ひらりと手を振って、愛想笑い。
その真上で、爽真に向かって綺麗に微笑みかける紫苑の顔は、なぜか挑発的に見えて。
それを受け取った爽真の眼光が余計に鋭くなる。
静かに火花が散り始めた時――
「おはよう、爽真くん」
美玲が爽真に駆け寄った。



