ふっと色っぽく笑った紫苑が、急にテレビの方を見る。
『今日の占い。気になるあなたの運勢はー……?』
テレビの中から、明るいアナウンサーの声。
キッチンから、同じくらい明るいひよりの声がした。
「あっ紫苑くん!始まりましたねっ」
「ね。俺、毎朝これ観ないと1日始まらないからさ――……」
くるっとひよりたちの方を向く紫苑は、いつもの爽やか王子様スマイル。
またこっちを見下ろして、「ね?」と笑う顔は小悪魔。
直後、カメラにしっかり撮られながらテレビを見る顔は、わくわくした少年の顔になっている。
(星占い観たいからってもっともな理由をちゃんとつけて、こっちに来たのか……!)
『第3位は乙女座のあなた!
欲しいものを貪欲に取りにいくのがいいかも……』
「あ、俺3位だ。今日はいいことありそー」
いけしゃあしゃあとそんなことを言う紫苑に、ぞくりと背筋が戦慄する。
私、もしかしてとんでもない人に目をつけられてしまったの……?
一緒に楽しく星占いを観ている絵を保ちながら、変な動悸が止まらない。
その時――
カタン。
階段の方から、また誰かが降りてきた物音がする。



