台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


8月13日。金曜日。
7:00。

カメラが回り始めているリビングに、ぽつぽつとキャストたちが集まり始めている。


「おはようございまぁす♡」


毛先はくるんと巻き髪、甘々ばっちりメイクでリビングに降り立つ。

大体、1番に起きてきているのは大和。
それから、たまに美玲。

私の起床時間はまちまち。
だけど、ちょっとした相関図の変化を逃さないために、基本はできるだけ早く起きるようにしている。

「おはよう」
「おはよ、瑠奈ちゃん」

キッチンに立つ大和と、ダイニングテーブルに座る美玲が同時に振り返る。

「瑠奈はコーヒー飲む?ちょうどお湯、沸かしたとこだけど」

「んーん。いらなぁい。瑠奈、苦いの苦手なの」

あくびが出そうなのを堪えながら、にっこりと小首を傾げる。

ちなみに、コーヒー苦手はホント。
砂糖足してもミルク足しても、あのほろ苦さはなんかだめ。

紅茶でも淹れようと、キッチンに入っていく。

その直前、ダイニングテーブルに座って静かに読書をしている美玲の手元をつい見てしまう。

ざあっと一瞬で、花火大会の日にその手が爽真に触れていたシーンが脳裏によぎった。