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同日。20:00。
男子フロアの廊下で、キャスト4人が集まっている。
「よしっじゃあグーパーしましょう!部屋割り!それで文句なし!」
廊下に響き渡るほどの明るい声で、潮陸が拳を掲げる。
「そもそも誰とでも文句ないけど……まぁいいか」
「まぁまぁ、楽しくてよくない?修学旅行みたいで」
和巳大和が苦笑い混じりに、そっと手を出す。
成宮紫苑は、裏でも変わらず愛想のいい態度で楽しそうにしている。
「……」
(誰でもいい。静かなら)
“白石と進展するまで共演者と極力関わるな”と言われているし。
「おっし、じゃあいくっスよー……?せーのっ」
遅れて輪の中に手を出して、陸の弾けるような掛け声で部屋割りが決定した。
――――
――……
「てことで、改めてよろしく。爽真」
ベッドと机が2台ずつ並ぶ狭い部屋で、お互いベッドに腰掛けながら成宮紫苑と向かい合う。
つまり俺の同室は紫苑になった、ということだ。
「……よろしく」
言ってすぐ立ち上がって、荷物の整理をしようとする。
すると成宮紫苑は座ったまま、前のめりで話し続けた。
「爽真っていつも“そんな”なの?なんていうか、クール系?
すごいなー。俺、そういう男に憧れる」
新しいものに興味津々の子供みたいな無邪気な態度。
悪意もなく、人当たりもいい、白石とは別ベクトルの優等生感。
(悪い奴じゃないんだろうけど、なんとなく苦手だ)
「……意味わかんね」
「えー、せっかく褒めてんのに!」
どこにいても馴染みきれない嘘っぽさが四六時中まとわりついて、たった1日過ごすだけでも気が滅入りそうだった。
――だからこの日、俺は瑠奈に八つ当たりをした。



