台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「そ、ま……えっ?」


髪を歪ませる甘い重さに、熱が上がって語彙が吹き飛ぶ。

ドキドキとずっとうるさい胸の音が、そろそろ爽真に聞こえそうな気がする。

「そ、……爽真くん?重いなぁー、なんて」

「瑠奈も凭れかかってるだろ」

「……っ、」


(それは、爽真が引っ張ったからでしょ!)


熱のこもった頬を悟られないように、さりげなく肩口に顔を埋めて。


「……今日さ、金魚掬いしたの」

「…………誰と、いや。……うん」

「なんと一匹もとれなかった」

「……ださ」


24時間冷房効きっぱなしの快適な部屋の中、触れ合ったところだけ熱くて。


今日のストーリーの真相も、
あの触れ合った指先の意味も、
結局、何ひとつ解決しないまま。


花火が打ち上がった後の夜は、不恰好に寄り添いあったまま、静かに更けていった。