台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


驚いて見た爽真の顔は、キツく目を細めて苦しそうに怒っている。

胸がドキンと跳ねたと同時、堪えていた言葉が弾けた。

「……そ、そっちこそ!美玲と仲良く並んで歩いてたじゃん!」

「仲良く?どこが?お前の目は節穴か」

「節穴じゃないですー。腕に手なんか添えられて、感情オフで照れ隠ししてるとこ見ましたー」

「何をどう見たらそうなるんだよ。
というか、お前だって紫苑の手握ってただろ」

微妙に近い距離感で、トゲトゲした言い合いは続く。

「あれは役!設定!仕事!」

「カメラ回ってないのにか」

「回ってなくても役を維持する。それが恋リアの仕事でしょ!」

お互い険しい顔をして、絶対に一歩も譲らない。
隣り合ってるのに触れない手が、同時にぎゅっと拳を握った。


「しょうがないじゃない。
だって“瑠奈”は、紫苑を好――……」

……きなんだから。


そう言い終わるより早く、ぐんと強く、拳を作った手首を引かれた。