しーん、とまた沈黙。
背けてしまった顔も、正面に戻すタイミングを完全に失っている。
(……何を喋れば……!)
爽真相手にこんなことを思うとは。
昨日までは座った瞬間に、あれもこれもと口が動くままに喋っていたのに。
いつも、何話してたっけ?
何日も重ねてきた、真夜中のことを思い出す。
……そうだ。
その日あったこと、全部か。
イマイチしっかりしない頭を動かして、今日の中から言葉を探す。
“なんで優勝なんてしたの?”
“どういうストーリーが仕込まれていたの?”
“あの時のあの顔は何?”
“なんで触れてきたの?”
“ふたりっきりで、どんなことをしていたの?”
「…………」
……いや、無理!
なんでこんな詰問みたいなことしかでてこないんだ、今日の私。
これで詰め寄った挙句、「仕込みなんてない」なんて言われたら、多分私のメンタルは死ぬ気がする。
自分に嫌気がさしてきて、はぁー、と静かにため息が漏れる。
それを聞いた爽真がゆっくりと私のことを見て、僅かに目を伏せた。
「なんで紫苑と楽しそうにしてたんだよ」



