台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―




あーあ。
今日はだめ。ぜんっぜんだめ。

撮れ高以前に、私に気合が入ってなさすぎる。

でっかいわたあめを片手でぷらぷらと持ちながら、心の中ででっかいため息をひとつ。

人の増えてきた参道を、たらたらと歩く。

右隣には紫苑。
しかもすっごい楽しそう。


(負けてもないのに、なぜかわたあめ買ってくれたし。
王子、完全復活じゃん。もう少ししおらしくしとけ)


「……」

心は荒んでても表面は“瑠奈”だから、ぷく、と頬を膨らます。

そんな私を横目に見た紫苑が、クスッと笑って左手を曖昧に差し出してきた。


「はい」
「ん?」
「手」

……。
デジャヴ!