君が照らす人生は、いつだって温かい


◇

駅までの道は、
文化祭の名残で少しだけ賑やかだった。

出し物の看板をまだ持ったままの一年生。

クラスTシャツのまま写真を撮るグループ。

浴衣から着替え損ねた子もいる。

その喧騒から、
少しだけ外れた歩道を並んで歩く。



「今日は、何点ですか」



先に口を開いたのは、私だった。



「文化祭ライブの自己採点?」



「はい」



春日井先輩は、空を見上げる。



「そうだな……九十点」



「高っ」



「十点は、〝もっと続けたい〟欲」



少し笑う。



「山谷さんは?」



「八十五点」



「具体的」



「十五点は、MCのとき噛んだところ」



「〝バンド名決めきれてないので〟のとこ?」



「はい。〝きめきれないので〟って言いました」



「かわいかったけどな」



さらっと言われて、言葉が詰まる。

そんな一言で、
いちいち心臓が忙しくなる。



「今日、お母さんと何話せた?」



歩道の白線を踏みながら、
春日井先輩が聞いてきた。



「ライブの音響割れや音量」



「怒られた?」



「ちょっとだけ」



笑う。



「でも、〝迷惑をかけない良い子じゃなくていいから、私の大事な娘でいなさい〟って言われた」



「それ、だいぶ名言じゃない?」



「でしょ」



のどの奥が、じんわりあたたかくなる。