いなくなったおねえちゃん



 突然だけどさ、この辺りって、乱暴なひとが多いと思わない?
 でもね、それって、あの子が素敵すぎるからなんだ。
 あの子っていうのは、僕が大好きなある女の子のこと!
 あれだけ可愛くて、虜にならないっていうほうが難しいもんね。

 ……えへへ、話が逸れちゃった。
 えっとね。つまり、あの子のせいでみんなが変になってるんだ。
 あの子が悪いってわけじゃないんだけど、…………あ!
 ――あんなとこに、あの子をストーキングしてるひとがいるー!!
 僕は駆け寄って、そいつを思わず殴りつけた。
 うう、なんて呻く彼を蔑むように見てから、もう一度同じようにした。
 彼は、やめてください、やめてくださいと泣きそうな顔をして謝る。
 でも僕はやめてやるつもりはなかった。何度も何度も、繰り返した。
 だって、あの子のためなら、手段を選ぶ必要なんてないでしょ?
 あの子以外の奴はどうでもいいし、どんなことをしたって、僕の心は痛まないもん。
 大抵のことは、力ずくでなんとかなるだろうし!