いなくなったおねえちゃん



 私は、自分を極めて冷静な人間であると思っています。
 私は他のひととは違い、恋に盲目になるなどあり得ないのです。
 私にも好きな女性はおりますが、周りとは違った目線で彼女を見ています。
 ですので、彼女の魅力も、些細なところまで気づいています。
 それだけでなく、この世界の違和感なども、すでに察知しております。


 ――この世界には、私を含め、彼女を想っている相手しか存在しないようなのです。


 最初は、これに不安を抱いたこともございました。
 けれどもう、不安ですとか、寂しさですとか、そのようなものは感じていません。
 なぜかといいますと、この世界に彼女がいるだけで、私は幸せだからです。
 私は世界で一番彼女を愛していますし、彼女さえいれば、他には何も必要ありません。
 私は今この世界で、彼女しか眼中にないのですから。