こわい短編コンテスト用

会社に行く時も家に帰る時も、必ず同じ場所で挨拶を交わすおじさんがいる。言葉はないけど、にこやかに頭を下げてくれて、私も頭を下げるだけ。ある日、いつものようにおじさんがいる場所の前を通ると、肩で息をしているにこやかなおじさんと目が合った。不思議に思いながらも頭を下げると、背中で組んだ手にある赤い包丁が見えた。見ないふりをして通り過ぎたけど、私を追いかける足音が聞こえる。