怪談屋

深夜三時、不意に部屋のドアノブがゆっくり回った。
私は一人暮らしだ。
咄嗟に布団をかぶって息を殺していると、部屋の入口から小さな声がした。
「……いない」
ぺたぺたと足音が去っていき、私は肩の力を抜いた。
今のは何だったんだろう。
バクバクと鳴る心臓を落ち着ける。
その瞬間、クローゼットの中から声がした。


「よかった、気づかれてない」