怪談屋


――さぁさぁ、よってらっしゃい、みてらっしゃい。


眠れぬ夜のお客様。

怖いもの見たさのお客様。

ここは、路地裏の“怪談屋”。

学校でひっそり語られる噂。

誰もいないはずの部屋の足音。

開いてはいけないメッセージ。

そして、人間の奥に隠れた、ぞっとする本性――。

私はただ、それを集めて売っているだけでございます。

もちろん、代金はいただきません。

ただし、一度読んだ話は、あなたの記憶のどこかに住みつきます。



ふとした夜道で。



消したはずのテレビ画面に。



静かな教室の窓ガラスに。



思い出したくない瞬間ほど、鮮明にね。

返品交換は受け付けておりません。


では今夜も、とっておきの話を、お聞かせしましょう――。