……いいなぁ。私も、ああいうのやってみたかった。
高校生になったら、友達と一緒にお昼を食べて、放課後は寄り道して、くだらないことで笑って……。
入学前は、そんな普通の高校生活を夢見ていたのに。
現実はというと――完全に孤立している。
「鳳条くーん」
不意に聞こえてきた声に、私はチラッと顔を上げた。
声がしたほうを見ると、教室の中央には、案の定……。
「……静」
クラスメイトに囲まれている静がいた。女の子たちに何か話しかけられているらしい。
静はというと、話を聞いているのか聞いていないのか分からないような、適当な愛想笑いを浮かべている。
「へぇ、そうなんだ」
「そうですね」
「はは……」
……いや、絶対ちゃんと聞いてないでしょ。
なのに、なぜか女の子たちは楽しそうにしている。



