その言葉を聞いた瞬間、私は黙り込んだ。
俺が育てた――その言葉が、妙に引っかかった。
7年前、静が突然いなくなった時のことを思い出す。
あの頃の私は、何も知らなかった。どうしていなくなったのかも。どこへ行ったのかも。誰といたのかも。
私はただ、置いていかれたと思っていた。
でも――お父さんは知っていたのだろうか。
何をしていたのか。そして、どうして今、私の前に戻ってきたのか。
『ふみ』
「なに?」
『静は昔から約束を破らない奴だ。だから信じてやってくれ』
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥にあった小さな不安が少しだけほどけた。
静が変わってしまったと思っていた。
でも、お父さんはきっと知っているんだ。私が知らない7年間の静を。
『それに――』
「?」
『あいつはずっと、お前のことを気にしていた』
「……え?」
聞き返したけれど、お父さんはそれ以上何も言わなかった。



