言った瞬間、涙がこぼれそうになった。
ずっと我慢していた言葉だった。寂しいなんて言わないようにしていた。
でも本当は、ずっと会いたかった。
『……落ち着いたら、また日本に帰るよ』
「ほんと?」
思わず声が明るくなる。
『ああ』
「約束だからね?」
『分かってる』
お父さんの声を聞いているだけで、子どもの頃に戻ったみたいだった。
だけど次の言葉で、少しだけ表情が曇る。
『とりあえず、静から離れずに過ごせよ』
「え?」
『あいつは強い。必ずお前を守ってくれる』
「守るって言っても……」
私はベッドに座り直す。
「今まで危険なことなんてなかったよ?」
本当にそうだった。
私はずっと屋敷で守られて育った。おじいちゃんも、優一郎さんも、みんなが守ってくれていたから。危ない目に遭った記憶なんてほとんどない。
なのに、お父さんの声はいつになく真剣だった。
『……とりあえず、何かあったら一番に静を頼れ』
「……。」
『俺が育てたんだから、お前を守るくらいはできるはずだ』



