……お父さん。
最後に会ったのはいつだっただろう。
忙しい人だから仕方ないって、ずっと分かっていた。
私のことを大切に思ってくれていることも分かっている。
それでも、時々どうしようもなく会いたくなる。声を聞きたくなる。子どもの頃みたいに、頭を撫でてほしくなる。
迷ったけれど、気づけば私は電話をかけていた。
きっと出ない。忙しいに決まっている。
何度か鳴る呼び出し音を聞きながら、やっぱり切ろうかなと思った、その時だった。
『はい』
久しぶりに聞いた低い声が耳に届く。
「……お父さん?」
やっと絞り出した声は、自分でも驚くくらい震えていた。
『どうした?』
どうしようもなく、胸の奥が熱くなる。
会いたい。そう思った瞬間、泣きそうになった。
でも泣くのは我慢する。もう高校生なんだから。いつまでも子どもみたいに甘えてはいけない。
そう思って、私は今日あったことを話した。



