高校に入ったら変わるって決めたけれど、心のどこかではまだ不安だった。
どうせまた一人になるんじゃないかって。誰かに嫌われるんじゃないかって。
でも今は違う。
ちゃんと私を見て、話しかけてくれる人がいるんだ。
「鳳条くんと従妹ってことはさ、鳳条くんのこといろいろ知ってたりするんだー?」
その言葉に、私は少しだけ固まった。
「え?」
思わず静を見る。彼女たちの視線の先には、まだ女子たちに囲まれている静がいた。
……そういえば。静のことを聞かれるなんて考えていなかった。
私が知っている静は、7歳の頃の静だ。
無口で、不器用で、でも誰より優しかった男の子。
寂しそうな顔をしていたくせに、私の前では強がっていた静。
だけど今目の前にいるのは、7年ぶりに会った静だ。
背も伸びて、顔つきも変わって、知らない時間を過ごしてきた静。
私は昨日まで、この人がどこで何をしていたのかすら知らなかった。
「う、うーん……?」
曖昧な返事しかできない。
「え、なにそれ~」
女の子が不思議そうに笑う。その笑顔に、私は少し焦ってしまう。



