「鳳条さん、家ってどの辺なの?」
「あ、えっと……電車で1時間くらい……?」
そう答えると、3人は目を丸くした。
「うわっ、遠いね!」
思わず私は笑ってしまう。
「そうかな?」
毎朝車で送ってもらっていた頃に比べれば、電車で1時間なんてむしろ新鮮なくらい。
「うちは徒歩5分!寝坊しても余裕!」
そこからは、中学はどこだったのかとか、校長先生の話が長かったよねとか、入学式で緊張したとか、本当に些細な話をたくさんした。
どれも特別なことじゃない。だけど私にとっては、その全部が新鮮だった。
誰かと笑いながら話すこと。自分から話題を出すこと。相手が笑ってくれること。そんな当たり前のことが、ずっと欲しかったものだった。
もしかして……。
これ、いい感じなのでは?
もしかしたら、本当に友達ができるかもしれない。



