どうせなら、最後は君に殺されたい




静がいなくなった部屋は、さっきまでよりずっと広く感じた。


私はその場に座り込んだまま、自分の膝を抱えるようにして体を丸くする。


胸が痛い。顔も熱い。頭の中もぐちゃぐちゃで、何から考えればいいのか分からない。



静は、何を考えているんだろう。どうしてあんなことを言ったんだろう。


私のことを、どう思っているんだろう。



「……気のせい」



きっと全部、気のせい。

静に会って、昔のことを思い出して、私が勝手に期待して、勝手に舞い上がっているだけ。そうに決まってる。



「……気のせい。気のせいだから」



何度も何度も自分に言い聞かせる。

でも、どれだけ言葉にしても、胸の奥に残った小さな期待だけは消えてくれなかった。


むしろ、静が最後に残した言葉が、いつまでも頭から離れない。




――リミッターを外したのは、私。



そう言われた気がして、また心臓が大きく跳ねた。


私はその音を誰にも聞かれないようにするみたいに、ぎゅっと胸元を押さえた。