「大丈夫ですか?」
そんなの、こっちが聞きたい。大丈夫なわけない。
心臓はうるさいし、顔は熱いし、頭の中は真っ白だし。
なのに、そんな私を覗き込むように静が少し顔を近づけてくる。
「息してます?」
――そんなこと、聞かないでよ!
「……っ、」
声が出ない。仕方なく、私は何度も何度も首を縦に振った。
「ふみさん、ありがとうは?」
「へっ?」
「俺が助けなかったら、頭打ってましたよ」
「えっ……あっ、ありがとう!ほんとに!」
ほんとにほんとにありがとう!だから、もうどいて!この大勢は心臓がもたない……!
さっきから心臓がずっとおかしい。ドクドク、ドクドクと、自分でもうるさいと思うくらいに鳴り続けている。
こんな至近距離で静の顔を見ることなんて、今まで一度もなかった。
……お願いだから、早く離れて。
そう思っているのに、静はすぐには動かなかった。



