私のこと、子どもだと思ってる?
聞き分けの悪いガキだとでも思ってる?
お願いだから、そんな顔するの、やめてよ。
涙がこみあげてきてしまって、零れ落ちないように必死に静を睨みつけた。
「……俺、居間にいるので。何かあったら呼んでください」
静はそれだけ言うと、私から目を逸らした。そして、そのまま部屋から出ていこうとする。
「……っ」
………まただ。
そう思った瞬間、胸の奥がずきんと痛んだ。
違う。静は自分の仕事をするために居間へ行くだけ。それくらい分かっている。
分かっているのに、7年前の記憶が勝手に蘇る。
何も言わずにいなくなったあの日。どれだけ待っても戻ってこなかった静。
だから、気づけば私は手を伸ばしていた。
「待って……!」
静の肩を、思いっきり掴む。
予想以上に力が入っていたらしい。静の身体がぐらりと揺れる。
「え……?」
次の瞬間、視界いっぱいに静の姿が飛び込んできた。
よろけた静が、私に覆いかぶさるように倒れてくる。時間が止まったみたいに全部が、ゆっくりになった。



