どうせなら、最後は君に殺されたい




家までの帰路は、当たり障りのないような話ばかりをした。

今日の授業のこととか、先生が言っていたこととか、明日の時間割とか。どれもこれといって特別な話じゃない。



静はいつも、私の半歩後ろを歩く。

その理由は、“私のボディーガードだから”。それ以外にない。

私の前を歩くわけでもなく、私の真横でもなく、何かあったときにすぐ私を庇えるような、ほんの少しだけ後ろ。


頭では分かっている。分かっているけれど――こういう些細なことに、いつも少しだけ胸がぎゅっとなるのは、内緒だ。


ちら、と後ろを振り返る。そこにはやっぱり静がいる。

私の話を聞いているのか、聞いていないのか分からないような顔で、私の半歩後ろを歩いている。


私が何か話せば、「はい」とか「そうですね」とか、ちゃんと相槌は返してくれる。だから、聞いてくれているんだとは思う。


でも、静の視線が私に向くことはほとんどない。


前を見ている。周囲を見ている。道の先を確認して、通り過ぎる人を確認して、車の動きを確認して――そして、私を見る。


……ほんの一瞬だけ。それも、私が振り返ったときに目が合うくらい。

もちろん、それもボディーガードだからだ。私の安全を確認しているだけ。


……分かってる。分かってるのに。