放課後。
最後のホームルームが終わると、教室の中は一気に騒がしくなった。
そんな中で、いつもクラスメイトに囲まれている静が、最後のホームルームが終わったときだけは必ず私に声をかけてくる。
「ふみさん、帰りましょう」
後ろから聞こえてきた低く落ち着いた声に、私は振り返った。
そこにはスクールバッグを肩にかけた静が立っていて、私を見下ろしている。
朝からずっと、女の子や男の子に囲まれていた静。
休み時間だって、誰かしらが静のところへやってきて、話しかけて、笑っている。
そんな姿を何度も見てきたから、正直、今も少しだけ不思議だった。
どうして、みんなが帰り始めるこの時間になると、静は当たり前みたいに私のところへ来るんだろう。
……まあ、ボディーガードだからなんだけど。
そう思えば納得できるはずなのに、ほんの少しだけ胸の奥がくすぐったくなる。



