授業が始まったと同時に、深澤くんが私の机に自分の机をくっつけた。
ガタッ、と小さな音がして、先生が黒板に向かっている隙に深澤くんが「ごめんねー」と少し申し訳なさそうに笑う。
大丈夫だよ、と私も小さな声で返せば、ありがととニコッと笑って、深澤くんは教科書を開いた。
たったそれだけのことなのに、なんだか嬉しかった。
こうやって誰かと机を並べて授業を受けることなんて、今までほとんどなかったから。
友達なら当たり前なのかもしれない。
机をくっつけて、教科書を見せ合って、授業中に小さな声で話して、休み時間になれば一緒に笑う。
私がずっと憧れていた「普通の高校生」って、きっとこういうことなんだろう。
そんなことを考えていた、そのときだった。
「……っ」
背中に、ツン、と何かが引っ掛かった。
なに……?
一瞬、気のせいかと思った。
でも、またツン、と背中を何かが引っ張るような感覚がして、途端に背中を冷たい汗が伝った。
恐る恐る振り返りそうになって、やめる。
後ろの席は――静だ。



