「……はあ」
またため息が漏れた、そのときだった。
「おーい、鳳条さん?」
突然、目の前に顔が現れた。
「……!?!?」
驚きすぎて、心臓がドクンッと跳ねる。反射的に身体を後ろへ引いてしまった。
「な、なに……!?」
「ごめん、ごめん。びっくりした?」
「……深澤、くん?」
私の顔を覗き込むようにして、ニコッと笑った彼は隣の席の深澤くんだ。
明るい雰囲気で、話しかけやすい。静とは、本当に正反対だと思う。
深澤くんは誰にでも気軽に話しかけられる、ふわふわした明るさを持っている。
いわゆる――真の陽キャ。
入学して二週間しか経っていないのに、もうクラスのいろんな人と話しているし、休み時間にはいつも誰かと喋っている。
友達も多いみたいだし、こういう人が「人気者」っていうんだろうな。
「……っ」
でも、そんな深澤くんが今、私に話しかけてくれている。それだけで、少しだけ緊張してしまう。



