「……私だって、友達ほしいのに」
小さく呟いて、机の上のスマホをいじるふりをする。
すると、ふと頭の中にお父さんの言葉が浮かんだ。
――『あいつはずっと、お前のことを気にしていた』
「……。」
静が、私のことを?本当に?
お父さんは嘘をつくような人じゃない。だからこそ、余計に気になる。
7年間、静は私のことを気にしていた。
だったら、どうして突然いなくなったの?どうして7年も帰ってこなかったの?
私のことを気にしていたなら……どうして、一度も連絡してくれなかったの?
考えれば考えるほど、分からなくなる。
でも、そんな私の疑問なんて知らない静は、今日も教室の中心で女の子たちに囲まれている。
「……ほんと、ずるい」
私は小さくため息を吐いた。何もしていないのに、勝手に人が集まってくる静。何をしても「かっこいい」「優しい」と言われる静。
一方の私は、休み時間になると一人でスマホを眺めている。
……不公平すぎる。
そもそも、あいつは猛獣ですよ、みなさん?
あれは猫かぶってるだけですよ?



