どうせなら、最後は君に殺されたい




でも!みんな完全に騙されてる!



私は知っている。あの男の本性を。

静は猫をかぶっているだけだ。外面がいいだけなのだ。



この二週間、静はずっとそうだった。先生に話しかけられれば、丁寧な言葉遣いで答える。

クラスメイトに頼まれれば、嫌な顔ひとつせず対応する。

女の子たちに囲まれても、適度に笑って、適度に相槌を打って、誰に対しても感じよく接している。


その結果――なぜか

「優しくて落ち着いてる」「大人っぽくてかっこいい」「頭もいいし、運動もできる」「帰国子女だから英語もペラペラ」なんて、完全に優等生扱いされている。




「……違うから」



違うんですよ、みなさん。


そいつ、そんな爽やかな人間じゃないですよ。


だって朝の満員電車で痴漢した男の腕を捻り上げて、「おっさん、死にたいの?」とか言ってた人ですよ?


会社の名刺を要求して、「こいつの会社潰そうかと」とか真顔で言ってた人ですよ?


それなのに、今はどうだ。