雨の日は長靴を履きましょう

 ぼくの住む村には、変な暗黙の了解がある。「雨の日、小学生は長靴を履かないといけない」。ぼくもみんなも、雨の日は長靴を履いてきた。でも、スニーカーでもいいんじゃない? そう思って、ぼくはこっそり雨の日、スニーカーで学校へ行った。そして水溜まりを何気なく踏む。スニーカーに水が染み込んで、水に引っ張られるようにぼくは水溜まりに沈んでいった。誰かの声が聞こえた。「ほらね。水溜まりは子どもが好きだから」。