## 第6話 「彼氏」
「付き合って」
その言葉が、
頭の中で何度も響く。
まちの手は熱かった。
逃がさないみたいに、
ぎゅっと繋がれている。
「俺、
らてちゃんいないと無理」
苦しそうな声。
本気なのが伝わってくる。
私は唇をきゅっと噛んだ。
普通なら。
“重い”
って引くべきなのかもしれない。
でも。
「……私も」
気づけば、
言葉がこぼれていた。
「え?」
「まちといると、
すごく苦しいのに」
胸がどきどきして、
落ち着かなくて、
振り回されて。
なのに。
「離れたくない」
その瞬間。
まちの目が大きく見開かれた。
まるで、
夢でも見てるみたいな顔。
「……ほんと?」
「うん」
次の瞬間。
ぎゅううっ。
「わっ!?」
また強く抱きしめられる。
「やばい、うれしい……」
耳元で震える声。
「好き」
何度も。
何度も。
「好き、好き、好き……」
まるで確認するみたいに、
繰り返される。
胸が熱い。
「まち、くるしい……」
「ごめん」
そう言いながら、
全然離してくれない。
「……でも離したくない」
ほんと重い。
でも。
そんなところまで、
愛しく思ってしまう。
私はもう、
かなりおかしくなっていた。
◇ ◇ ◇
それから。
私たちは秘密で付き合い始めた。
敵店同士だから、
絶対にバレちゃいけない恋。
放課後。
店が閉まったあと、
こっそり会う。
人気のない公園。
夜の神社。
雲茶の裏口。
誰にも見つからない場所で、
私たちは恋人になった。
「らてちゃん」
「ん?」
ある夜。
雲茶の店内。
閉店後の静かな空間で、
まちは私を膝の上に乗せていた。
「重いって思わない?」
「何が?」
「俺」
私は少し考える。
……重い。
かなり重い。
でも。
「思うよ」
「っ」
まちの顔が曇る。
その瞬間。
なぜか胸が痛くなった。
だから私は、
そっとまちの服を掴む。
「でも」
「?」
「そのくらい好きってことでしょ?」
すると。
まちは数秒固まったあと、
顔を隠した。
「……無理」
「え?」
「好きすぎる」
耳まで真っ赤。
その姿がかわいくて、
思わず笑ってしまう。
すると。
まちは私を見上げて、
小さく呟いた。
「らてちゃんさ」
「ん?」
「最近、
俺以外にもその顔してる?」
「……え?」
「今の笑った顔」
まただ。
その目。
優しいのに、
どこか壊れそうな瞳。
「俺だけにして」
甘えるみたいな声。
でも拒絶できない。
「……うん」
答えると、
まちは安心したみたいに笑った。
その笑顔を見た瞬間。
私の胸の奥で、
何かが静かに壊れ始めていた。
「付き合って」
その言葉が、
頭の中で何度も響く。
まちの手は熱かった。
逃がさないみたいに、
ぎゅっと繋がれている。
「俺、
らてちゃんいないと無理」
苦しそうな声。
本気なのが伝わってくる。
私は唇をきゅっと噛んだ。
普通なら。
“重い”
って引くべきなのかもしれない。
でも。
「……私も」
気づけば、
言葉がこぼれていた。
「え?」
「まちといると、
すごく苦しいのに」
胸がどきどきして、
落ち着かなくて、
振り回されて。
なのに。
「離れたくない」
その瞬間。
まちの目が大きく見開かれた。
まるで、
夢でも見てるみたいな顔。
「……ほんと?」
「うん」
次の瞬間。
ぎゅううっ。
「わっ!?」
また強く抱きしめられる。
「やばい、うれしい……」
耳元で震える声。
「好き」
何度も。
何度も。
「好き、好き、好き……」
まるで確認するみたいに、
繰り返される。
胸が熱い。
「まち、くるしい……」
「ごめん」
そう言いながら、
全然離してくれない。
「……でも離したくない」
ほんと重い。
でも。
そんなところまで、
愛しく思ってしまう。
私はもう、
かなりおかしくなっていた。
◇ ◇ ◇
それから。
私たちは秘密で付き合い始めた。
敵店同士だから、
絶対にバレちゃいけない恋。
放課後。
店が閉まったあと、
こっそり会う。
人気のない公園。
夜の神社。
雲茶の裏口。
誰にも見つからない場所で、
私たちは恋人になった。
「らてちゃん」
「ん?」
ある夜。
雲茶の店内。
閉店後の静かな空間で、
まちは私を膝の上に乗せていた。
「重いって思わない?」
「何が?」
「俺」
私は少し考える。
……重い。
かなり重い。
でも。
「思うよ」
「っ」
まちの顔が曇る。
その瞬間。
なぜか胸が痛くなった。
だから私は、
そっとまちの服を掴む。
「でも」
「?」
「そのくらい好きってことでしょ?」
すると。
まちは数秒固まったあと、
顔を隠した。
「……無理」
「え?」
「好きすぎる」
耳まで真っ赤。
その姿がかわいくて、
思わず笑ってしまう。
すると。
まちは私を見上げて、
小さく呟いた。
「らてちゃんさ」
「ん?」
「最近、
俺以外にもその顔してる?」
「……え?」
「今の笑った顔」
まただ。
その目。
優しいのに、
どこか壊れそうな瞳。
「俺だけにして」
甘えるみたいな声。
でも拒絶できない。
「……うん」
答えると、
まちは安心したみたいに笑った。
その笑顔を見た瞬間。
私の胸の奥で、
何かが静かに壊れ始めていた。
