凸凹だっていいじゃないか

「起立、礼!」
「「「「さようなら」」」」

 入学式のあと、初めてのSHRを終える。
 私はいそいそと、裏庭近くのピロティーで待っているはずの3人のところへ向かった。
 保護者の方々は説明会に出席だ。
 外の雨はほとんど止み、日が少しだけ差し始めている。
 そのせいか、傘を忘れそうになったのは。
 うん、向かったはずだった。

「どこに行ったんだか」

 待ち合わせ場所として決めておいた端っこのテーブルには、誰1人寄ってこない。寄ってきても、知らない生徒ががイスだけ持っていくばかり。
 1組のSHRは終わっているはず……なんだけどなー。

「どうせ、約束忘れたとかなんだかだな」

 あの3人は、そんな性質(たち)だ。

 私はよく、何も断りを入れずに置いて行かれることがある。
 待ち合わせ場所の伝達を怠って、どこにいるのかがわからないということも度々。
 他クラスで忘れられやすいのはわかる。
 けれど、それで下級生をよく泣かせていたのだから、注意を聞き入れてほしいのだけど……。
 毎回、ごめんなさいで終わるのは気のせいだか。
 私は慣れているし別にいいのだけれど、いつかあの中の誰かが同じ目に会いそうで怖い。
 そんなことを思いながら待っていた。

 私は、高梨杏奈に恋心を抱いている。
 軽いけれど地味に辛いイジメで精神まいっていた時に、救いの手を差し出してくれたのは彼女だ。
 成績優秀で足も速く、オマケに顔面偏差値がものすごく高い。
 目は細いけれどバランスがいいというかね……。
 私は到底、完璧人間と隣で立てるような人間ではないはず。
 杏奈のことは、片想いでいいと割り切れている。

 奈央と百合乃さんも、杏奈と同じくハイスペック。
 奈央は英検2級をもうすでに取っていて、足は杏奈よりも速い。
 痩せてる。きれい。騒がしい笑い方と話し方が玉に傷でもあるな。1番関わったことがあるのは、何気に奈央かもしれない。
 百合乃さんは、運動能力はそこそこでも、学年総合3位の成績を誇る優等生だ。小動物系で、少し散っているそばかすがチャームポイント。かわいい。
 百合乃さんとはクラスが一緒になったこともなく、なのに仲良しになったという不思議な縁を共有していたりする。

 対して私は、学年真ん中の順位ぐらいで、それどころか少し下かもしれない。
 足、遅い。顔、普通。取り柄がスタイルだけというね……。
 身長はど真ん中、体重は平均より少し軽いか。ぐぇ。
 今更だけれど、ナイナイ尽くしだったね私。ぐえぇ。