凸凹だっていいじゃないか

 私はその後、関口先生に運ばれて、保健室で寝かされた。もはやテントの救護室じゃないのね。
 脱水症状、軽い酸欠、および熱中症。そりゃあ先生に怒られるわけだ。

 そして今、保護者に連絡を取ろうとしているけれど……。
 2人とも、家にはいないし連絡も取れない。

 うちの両親は、ムダに高い土地を買い贅を尽くした家を建てて、両働きではないと生活できなくなった。
 金が足りないと警告したのにやめなかったものだから、この学校に通う金は出せと紙と私が迫ったのだ。ボールペンで超簡易契約書を書くほど。
 親のせいで、友達と離れてたまるか。
 兄は国立へ行ったためか、2人の圧が最近すごい。なーんも取り柄なんてない私は、国立に行けるわけがないからだ。
 ……私、家は前のマンションで十分だったのになぁ。

 ごろごろと寝返りを打っていると。

『コンコン』
「香澄ちゃん、入るよ……?」

 どうぞどうぞ入ってください私のことは気にせずに。

「どーぞー」

 ガラガラと戸が開いて、杏奈が入って来た。
 荷物を持ってきてくれたようだ。え、天使。天使が(以下略)。
 もしかしたら、昇格して女神になってるかもしれない。かわいい。

「寝てないとダメでしょ、香澄ちゃん。ていうか水飲んで」
「さっき250mlぐらい飲んだって」
「足りない足りない」
「足りるわ」
「お腹タプンタプンになるまで飲んで」
「やだ腹冷える」

 押し問答を続けたけれど、私は折れてため息を吐いた。
 やー負けた。何に勝負していたかは知らないけれど。
 結局、グビグビとスポドリを飲まされて、言葉の通りお腹タプンタプンになった。ぐるしい。

 杏奈は近くのパイプ椅子をベッド近くに寄せて、そこに座る。
 待っててくれるんだ。
 思わず、笑みが浮かぶ。

 しばらく沈黙が続いた。
 私が静寂を破る。

「私って、なんでここにいるんだろう