「イケメンだったの?」と凪智がいうので「そりゃあもう。トラくんもびっくりなイケメン」と、私が出会った中で1、2位を争うイケメンの名を告げれば「ああ、それはイケメン」と、凪智も頷く。
「でも、LINEとか電話で切らずに、てか何も言わずにフェードアウトされるより、水ぶっかけられても会って話すだけ誠実なのかも?」
凪智の言葉に気付かされる。
言われてみれば……不誠実の中に誠実さが見られるし……やっぱり、いい人だったの?
「確かに……そうかもね?」
納得しかけた私のおでこを、凪智はピンと指で弾くから、鈍い痛みが広がった。
「……え?なんでデコピン?」
「おばか。どう考えても公共の場で女を激怒させる男が悪い」
「なるほど、一理ある……!」
再び納得すれば、凪智は、ほらね、の顔をした。



