𓂃 ◌𓈒𓋪
あの日から二週間が経過した。大学院も二年目になると、一年生の時に死ぬ気で単元をとったお陰で授業で比較的ゆっくりとしている。
おじいちゃん一歩手前の教授が教壇で熱弁を振るう声をBGMに、私は教室の後方で、学部生たちの出欠カードを仕分けしていた。
大学から時給をもらうための貴重なTAの時間は、教授のサポートをしつつ、レポートの内職に励む時間と化している。ただ、近頃出欠カードの数が多い。1、2年ならまだしも、4年生の講義も多い。
「(みんな勉強熱心だなあ……)」
そんなことを思いながら、ふわりと零れる欠伸を噛んだ。
寝不足の本当の原因を、凪智にはまだ話せていない。
気のせいかもしれないけれど、最近、帰り道を一人で歩いていると、人の気配を感じるのだ。
「(考えすぎだよね……)」
これも私の不幸体質から来ること。うん、うんと納得しつつも、内心怖い。こういうことに慣れていても、怖いものは怖い。



