きゅるっとした瞳で「駄目かな?」と、上目で見上げるお兄さんに、ずきゅん!と心臓を撃ち抜かれた。
か、かわいい。絶対にその辺の女の子より可愛いし、上目遣いがあざとい。
女子の気持ちがわかる。みんな、これに騙されるのね。
私の中で、初めて会ったばかりのお兄さんが、好きになってはいけないランキング上位にランクインした。
そんなお兄さんがそのままゆっくりと顔を寄せてきて、あまやかな笑みを浮かべた。
「お姉さんも、俺と遊ぶ?」
「あ、遊ばない!」
「え〜……、残念」
くすり、妖艶に微笑んだお兄さん。このまま話していると、色んな意味でまずい気がする。
「お待たせいたしました……」
そんな私とお兄さんの空気を壊すようにやって来たウェイトレスさんはお客の惨状を目の当たりにすると「あの、良ければ何か拭くものをお持ちしましょうか?」と、イケメンを前に少し頬を赤らめながら配慮したけれど、何故かお兄さんは「お構いなく」と、やんわりとお断りした。
「ガトーショコラをお持ちしました」
「ああ、よければその子に」
そして、自分の元へサーブされたケーキを、何故かお兄さんは私へ促すから、私の頭上にはクエスチョンマークがいくつも並ぶ。



