「俺と一緒に居たいって言う子を、断るのって面倒でしょ」
1+1の答え合わせみたいに、お兄さんは説明するけれど、その時点でわたしの脳内にはクエスチョンマークが浮かぶ。
「なんで面倒なんですか?」
「断ったら泣いちゃうじゃん」
「なるほど、だから一緒に居るんだ……優しいですね?」
無知で疎い私は、思ったまま言葉にすれば「優しくないでしょ」と、お兄さんは息だけで笑うから「そうなんですか?」と、首を傾げる。
「基本的に、一度しか関係持たないから、オレ」
「え、もったいな」
「何事にも、用法用量ってあるでしょ。一度だけでいいよ。特にお姉さんみたいな人だと、俺みたいなのは」
「そうかな。……お兄さんみたいな人だったら、二回目も三回目も会いたくなっちゃうんじゃないでしょうか」
「やっぱり、お姉さんは騙されやすそうだね?」 お兄さんは「心配しちゃうな」と続けてそのまま首をコテンと傾げる。



