雨暮くんは溺愛彼氏

「は、初デートっていったいなにをするの? 」
 勇気を出して聞いてみる。クラスメイトのあおちゃん、そしてひばりちゃんに。
 中学に進学してから、当たり障りのない、浅い関係のクラスメイトが増えたが、気がついたらこの三人で過ごすことが多くなった。
 サイドテールでやや青みがかった瞳と黒髪の持ち主のあおちゃん。
 髪も瞳もややオレンジがかっていて、ショートカットのひばりちゃん。
「へえ。花桜里がそういうことを聞いてくるとは……おおう。上々にございますなぁ。」
「さようにございます。」ひっひ、とお代官さんみたいな笑い方をするひばりちゃん。「そうだね。デートといったら一緒に映画を見るとかショッピングに出かけるとか? 公園で遊んでもいいし……おうちで一緒にゲームとかしても楽しいし。色々だよ。」
「うちは保育園時代からの腐れ縁だから、お散歩だったかなぁ。最初は親同伴で家族交流みたいな感じだったからあんま参考にならないかもだけど。……トランプとか? 家族でテーマパークにお出かけもしたなぁ。」
 子どもたち同士ではお出かけ出来ない時代からお付き合いをしていたあおちゃんならではの発言。齢年十二にして既に交際歴十年。大先輩である。