雨暮くんは溺愛彼氏

「ふむ。異論はなさそうだな。では、今日からどうぞよろしく。」
「いやいやまだ返事はしていないんですけれど! 」なんなのこのひと。どこから突っ込めばいいのぅ! 「……あ、雨暮くんのようなひとであれば、女の子なんて選び放題なはずなのに……なんで、わたしなんですか。」
 すると雨暮くんはすました顔をして、「うん。だって、好きだから。」しれっと答える。
 あのね、あなた……。
「何事にも一生懸命でひたむきなさまが可愛いし、……そうだな。きみのことを知ったのは、小六のときだったけれど。クラブも学校も休まないで毎日頑張っているし、明るくて前向き。ちゃんと夢中になれる趣味もあるし、ひとと対面して会話をすることを大切にしている。話すときは真っ直ぐ相手の目を見て真摯に答える。誠実な人間だ。
 先ず、声が可愛い。カラオケで満点近くを叩きだせる力があるのに、いざ誰かとカラオケに行けば、相手に気を遣い、ちょっと外したりなんかして。そういうところも可愛い。知らず相手の嫉妬心に火をつける、ひとたらしなところを含めて好きだ。……きみって無自覚にひとを煽るところがあるから、隠れファンがあまたいるんだ。……気づいていないのか? 」
 うーん。「確かに、……水沢さんってひとの扱い上手いよね、とか言われることは時々……あるけれど……。」