雨暮くんは溺愛彼氏

「おはよう。」
「おはよう。」銅像の前で待ってくれている雨暮くん。今日は、昨日とは裏腹に、晴天だ。
 まるで、雨暮くんの送ってくれた手紙や封筒のように、澄み渡った空が広がる。
 雨暮くんは相変わらず澄んだ瞳で、ふ、と笑み、
「今日も可愛い。」
 ぼそっと言うから何事かと思った。なに言ってんの!? 
 ひええー。話そうと思っている中身が全部吹っ飛んでしまった。
「……歩きながら話そうか。」と雨暮くんが進むのでついていく。……あれ。
 速度、落としてくれている。
 ……わたしが、歩くの遅いのを、分かっていて? 
「……色々と急で、なんか、ごめんな。」笑った顔がキュートで。その横顔に見惚れてしまったよ。「水沢さんが、状況に、ついていけないのを分かっていて……すまない。好きが止まらないんだ。」
 朝っぱらからとんでもない役者がいたものだ。ブラボー。これを素で言える雨暮くん、すごい。
「ううん。……手紙、ありがとう。嬉しかったよ……。」
「よかった。」立ち止まった雨暮くんは、高い背を屈めると、わたしの目を覗き込み、「……うん。その顔が見られてよかった。」
 うう。わたし、どんな顔してるかな。
 もんのすごい、照れた顔……、してないかなぁ?