文化祭なんて、苦手だった。 騒がしくて、人が多くて、“楽しそう”が溢れている場所。 ちゃんと笑わなきゃいけない空気が、少し苦しい。 でも今年は、少しだけ違った。 「星乃さん、メイド役ね!」 「……は?」 その一言までは。 教室中が盛り上がる。 「絶対似合う!」 「星乃さん顔強いもん!」 「いやいやいや無理無理!!」 私は全力で首を振った。 「目立つの苦手だし!」 女子が笑う。 「えー、今さら?」 「今さらでも嫌なの!」