航斗が缶ジュースを投げてよこした。 「わっ」 航「飲め」 「ありがと」 缶は冷たかった。 でも胸の奥は、不思議と温かい。 私は海を見ながら、小さく言った。 「……私さ」 全員の視線が向く。 「前は、こういう時間が怖かった。 楽しいって思うほど、なくなる気がして」 静かな波音。 私は少し笑った。 「でも今は、なくなるのが怖くても、好きでいたいって思う」 その言葉に、伊織が嬉しそうに笑った。 斑は「やっと素直になったな」と呟き、 迅は静かに目を細め、 叶兎は「……よかった」と言った。