その一言で、胸が跳ねた。 私は目を逸らす。 「……海、楽しいから」 航「ならいい」 それだけ言って、航斗は海へ歩いていく。 私はその背中を見ながら思った。 ……この人、ほんとずるい。 さりげなく心に入ってくる。 怖いくらい自然に。 その後、伊織に引っ張られて、私も海に入った。 「冷たっ!」 伊「気持ちいいでしょ!」 波が足をさらっていく。 笑い声が響く。 斑が水をかけてきて、 伊織が悲鳴を上げて、 迅が「やめてください濡れます」と言いながら結局巻き込まれて、 叶兎は静かに避けていた。