花火が終わったあと、帰り道で伊織が私の手を握った。
伊「透羽ちゃん、迷子にならないようにね」
「迷子にならないよ」
伊「なるよぉ」
斑が呆れた。
斑「お前がな」
迅「斑もですよ」
斑「迅、黙れ!」
伊「迅くん、ひどいよぉ」
叶「……手、離す……だめ」
「……うん」
私は小さく頷いた。
航斗が前を歩きながら言った。
航「帰るぞ」
「……うん」
その背中が、少しだけ大きく見えた。
その背中を見ながら思った。
この人たちを失うのが怖い。
でも、もう逃げたくない。
怖いけど、優しい。
黒月は、そんな場所だった。

