星屑の唄【期間限定公開】

 9月に入り十五夜も近づいてきたというのに一向に気温が下がらない現状を全部地球温暖化のせいにしながら帰っていた日。

 せっかくの土曜日にもかかわらず記述模試を受けるために朝起きて学校に出向いてそのまま自己採点を終わらせて帰るなんて我ながら偉すぎる。本当は早く家に帰ったら母親に模試について根掘り葉掘り訊かれて面倒だから残ってただけだが、理由はどうであれやったことは偉いのだから自画自賛していいと思う。

 視界の傍らではゆっくりと夜が空を覆い始めている。空気は相変わらず湿っぽくて、9月が秋だなんてもう言えないな、と独りごつ。

 文化祭が終わり、目立った行事のない日々は少し退屈だ。

 だから私は少し前のことを掘り起こす。


 月城が言った「計画的に」とは、スピカが確実に現れる日、確実に現れる時間、確実に現れる場所に張り込むというものだった。今までは藁にもすがる思いで大体の推測で手当り次第動いていたが、母親の件があった影響でより狡猾に動くようになったのだ。


 だがあれからスピカの素顔特定は進んでいない。

 彼女がリアルタイムの投稿をなかなかしなくなったからだ。

 バズったことで身バレを警戒するようになったか、盗作されたことで投稿自体が怖くなったか。月城は同じような日々を過ごしているから書くことがないんじゃないかとそれはそれは嫌そうな顔で言っていたが。

 私がスピカを軽蔑しているのと同じように彼もスピカを軽蔑しているのだ。