星屑の唄【期間限定公開】

 初めて聴いた曲だったので、驚いたのだろう。目を丸くしたまま、答えを切望するように私を見つめている。


「さぁ。即興だったからわかんない。それにもう思い出せないし、同じものは一生歌えない」


 言い切ると、月城がわずかにたじろいだ。その気持ちが風化しないうちに言葉を重ねる。「だから」


「この曲のタイトル、月城がつけていいよ」


 風が月城の前髪を浮かばせた。


「無茶苦茶な歌を聴いてくれた、せめてものお礼」


 月城の黒い瞳にふっと笑う私が映る。

 彼はらしくもなく笑う私の言葉を咀嚼するように瞬きして、こくんと頷いた。その瞳はひかりがこぼれてきそうなほどきらきらしている。


 ――……不思議。私の言葉でこんなふうになる月城が。


 そんなことを思いながらゆっくり続きを紡いだ。


「あと、さっき言ったこと撤回させてくれる?」


 首を少し傾けると、今度は私の横髪が風になびいて顔にかかった。髪の束の隙間から彼に笑いかける。


「私、やっぱりスピカのこと嫌いだから弱み握っときたい」