そして開放的なところに来たからか緊張が緩んで、堰が切れてしまった。
「ごめん。ほんとごめん、月城」
手を離し、目に押しつけるように涙を拭う。
「母親に月城と会ってることバレたの。それで、付き合ってるって誤解されて、別れろって。もしまた母親に会ってることバレたら、月城になにするかわかんない」
「――――」
拭いでも拭いでも止まらない。
「だからこれ以上巻き込みたくなくってあんなこと言ったけど、結局こうして迷惑かけてるしし。ほんと、いろいろちゃんとできなくて、音も上手く吐けなくて」
「―――の」
内容も抑揚も無茶苦茶でとても人に聞かせられるようなものじゃない。
月城が呼びかけてくれているのにモスキート音みたいな耳鳴りがして上手く音を拾えない。私の意志とは関係なしに口が動き続ける。
「そうしたらだんだん自分がどう振舞ってたかもわからなくなってきて。こんな身勝手だけど、お願いだから、スピカのこと好きにならな――」
「ならないよ」
「っえ」
「ならない」
一瞬耳鳴りが消えて、月城の声だけが鮮明に聞こえた。
「ごめん。ほんとごめん、月城」
手を離し、目に押しつけるように涙を拭う。
「母親に月城と会ってることバレたの。それで、付き合ってるって誤解されて、別れろって。もしまた母親に会ってることバレたら、月城になにするかわかんない」
「――――」
拭いでも拭いでも止まらない。
「だからこれ以上巻き込みたくなくってあんなこと言ったけど、結局こうして迷惑かけてるしし。ほんと、いろいろちゃんとできなくて、音も上手く吐けなくて」
「―――の」
内容も抑揚も無茶苦茶でとても人に聞かせられるようなものじゃない。
月城が呼びかけてくれているのにモスキート音みたいな耳鳴りがして上手く音を拾えない。私の意志とは関係なしに口が動き続ける。
「そうしたらだんだん自分がどう振舞ってたかもわからなくなってきて。こんな身勝手だけど、お願いだから、スピカのこと好きにならな――」
「ならないよ」
「っえ」
「ならない」
一瞬耳鳴りが消えて、月城の声だけが鮮明に聞こえた。



