あれから私は母親の言いつけ通り家から出ず、自室に引きこもって勉強した。課題も模試の解き直しも終わらせたから受験勉強にいいらしいと母親が買ってきた参考書や問題集に取り組んだ。将来使わなそうな知識で脳みそがギチギチに埋められて頭が痛かった。
そんな中で音を紡ごうと思ったことは何度もあった。
でも、また母親に見られたらと思うと怖くなって、手がつけられなかった。
月城の返信もまだ読めていない。というか読めなかった。もし月城に理由を訊かれていたらなんて返せばいいかわからないからだ。
正直に話して、理解されなかったら怖い。母親に干渉されすぎだとか、それくらいどうとでもなると言われたら、もう。
もちろん月城がそんなこと軽々しく口にしないってわかってるが、それでもほんの少しの疑心が拭えずにいる。
ただ、私が今考えていることは全部杞憂で、月城があっさりと引き下がっていたら、それはそれで簡単に諦めないでよと寂しくなってしまう。
身勝手だ。
こうして尻込みしている間にも吐き出せない音たちが胃を埋め尽くすように溜まっていって。少しの衝撃で胃液ごと吐いてしまいそうなほどになった。
そしてその弊害は日常生活に現れた。
「おはよ〜!」
「あ、梨々花。おはよう」
――あれ?
友だちとの何気ない朝の挨拶。だというのに強烈な違和感に襲われた。
そんな中で音を紡ごうと思ったことは何度もあった。
でも、また母親に見られたらと思うと怖くなって、手がつけられなかった。
月城の返信もまだ読めていない。というか読めなかった。もし月城に理由を訊かれていたらなんて返せばいいかわからないからだ。
正直に話して、理解されなかったら怖い。母親に干渉されすぎだとか、それくらいどうとでもなると言われたら、もう。
もちろん月城がそんなこと軽々しく口にしないってわかってるが、それでもほんの少しの疑心が拭えずにいる。
ただ、私が今考えていることは全部杞憂で、月城があっさりと引き下がっていたら、それはそれで簡単に諦めないでよと寂しくなってしまう。
身勝手だ。
こうして尻込みしている間にも吐き出せない音たちが胃を埋め尽くすように溜まっていって。少しの衝撃で胃液ごと吐いてしまいそうなほどになった。
そしてその弊害は日常生活に現れた。
「おはよ〜!」
「あ、梨々花。おはよう」
――あれ?
友だちとの何気ない朝の挨拶。だというのに強烈な違和感に襲われた。



