星屑の唄【期間限定公開】

 想像するだけで全身が粟立った。

 関係ないことに月城を巻き込むわけにはいかない。彼はただ私のために協力してくれているだけ。どうにかして彼と母親を会わせないようにしないと。

 突き動かされるようにスマートフォンを手に取った。


〈ごめん、月城〉


 シュポ、とメッセージを送った音が虚しく響く。

 続けざまにカタカタと音を立てながら指をキーボードの上でスライドさせ、送信ボタンを押した。


〈もう一緒に捜索できない〉


 自分で送ったくせに、字面を見ただけで息が詰まった。

 耐えきれなくなりスマートフォンをベッドに投げ置くと、雑に放っておいたスクールバッグが目に入った。


 ――あぁ、そうだ。


「勉強。勉強、しなきゃ……」


 ふらふらと立ち上がり、椅子に腰を下ろした。いつもより重力を強く感じた。

 それからスクールバッグから筆箱と参考書とルーズリーフを取り出し、机に向き合った。

 ベッドの方からバイブ音がしたが気づかないふりをして、筆箱から取り出したシャーペンを強く握り、参考書の設問に取り組む。

 文字が全然頭に入ってこないし字もぐちゃぐちゃだけど、形だけでも勉強している間は母親の機嫌を損ねずに済むし、月城が巻き込まれることも私の音たちに干渉してくることもない。